い草とは?
“い草”は湿地や浅い水中で生育するイグサ科の単子葉植物です。
数千年前にインドからシルクロードを通って輸入されて以来、日本人はい草を様々な場所で使用してきました。
1メートル近くまで成長する長い茎は「畳」や「ござ」の原料として古くから親しまれています。
日本とい草
1000年以上もの間日本国で愛されている「畳」は、日本国から発祥した伝統文化であることが分かっています。
古くは管畳(すがたたみ)八重、皮畳(かは たたみ)八重などが古事記に登場しています。
日本国の伝統文化である畳が 日本国に広がり始めた時、現代のように床に敷く構造はなく、
主には寝具として使用されていました。
現代のように、床に敷く構造になったのは平安時代からのことです。
鎌倉時代から室町時代には敷物として畳を使うことが一般化され始めましたが、
畳が一般市民に普及することはなく、主には貴族や武士の富の象徴として扱われていました。
江戸時代には茶道が普及し始めましたが、この時代も未だ畳は位の高い人々の間で楽しまれていました。
しかし江戸時代中期以降、畳師、畳屋と呼ばれる職人が生まれ、畳を使用する一般市民が日本全国に広がりました。
その後1000年以上、形や色を変えることなく愛された日本国の畳でしたが、
平成時代以降「空間デザイン」として扱われ始め、床だけでなく壁などにも使用されるようになっています。
い草の効能
い草の茎の内部は、「灯心部」と呼ばれるスポンジ状の組織で構成されており、
大量の空気を貯蓄することができます。
更に、茎の表面には小さな穴が多数あり、その穴を通じて空気を外部から吸収したり放出したりすることができます。
そのため空気中に散漫しているホルムアルチヒド・アセドアルチヒドなどの汚染物質 や、二酸化炭素を吸収する役割を持っています。
そのほかにも、室内の温度調節をする機能を持っており、湿気の多い梅雨の時期には空気中の湿気を吸収し、冬になると湿気を放出するような働きを持っています。
これだけに限らず、い草には森 林浴セラピーや、ヒノキのアロマ、
土壌などの匂いからも検出される天然アロマ 「フィトンチッド」が放出されています。
従来は、床に敷く畳だけが注目されていましたが、
近年「い草」は壁紙や健康食品としても扱われるようになっています。
壁紙としてい草を使用した場合、有害物質となる化学物質を吸収する建材となることも明らかになりました。
また他にも、い草は『健康食品』としても注目され始めています。
その理由は、三大栄養素と呼ばれる糖質、脂肪、たんぱく質が豊富に 含まれていることからです。
それに加え、ビタミンやミネラル、食物繊維、カリウ ムなどが豊富に含まれていることが分かっています。
特ににんじん、ブロッコ リー、ごぼう、キャベツなどの食物繊維が100g中、平均的に2g~6gなのに対し、 い草は77gを占めています。
い草の健康効果に注目しているのは日本国だけではなく、
隣国である中国でも、利尿効果、止血、止渇などの目的として用いる漢方薬と して活躍しています。
い草の効能5つ
1.湿度・温度を調整
2.空気中の有害物質の除去
3.リラックス効果
4.衝撃の吸収する
5.抗菌・殺菌効果
集中力UPの効果も!?
北九州市立大学森田博士の研究で、「畳部屋における学習効果」について発表され「畳教室には集中力持続効果がある」ことがあきらかになりました。